演劇ユニット『SP@CE』

奈良で活動する演劇ユニット『SP@CE』の劇団員ブログ用ページです。 現在、劇団員(役者、裏方)募集中です!

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「ナツマチ」 another story 『she never can get up』。

case of ryuta mishima

『she never can get up』


**************


コンコン。

いつものようにドアをノックするが、勿論返事はない。

コンコンコンコン。

さっきより強めにノックする。
…勿論返事はない。

「おい、アヤ!起きろよ!」

……。

「起きろって!話があんだよ!おい、アヤ!」

………。

起きないよな。そうだよな。分かってるよ、分かってる。

…仕方ない。

俺は手に持っていたCDデッキをドアの前に置き、再生ボタンを押すと、その場を離れた。

アヤの部屋から戻った俺は、冷蔵庫からキンキンに冷えた缶ビールを取り出し、軽くあおった。

「くぅ~…この一杯のために生きてるよな」

…さて。何かツマミはないかな?と、俺が戸棚を漁っていると…。

バンッ!!

突然、大きな音が鳴りドアが開かれたかと思うと、そこには鬼…もとい、アヤがCDデッキを片手に立っていた。

「…何のつもりだ、お前?喧嘩売ってんの?死にたいの?」

うん、いつもの3割増しくらい口が悪い。

「何ニタついてんの?やめろ、その目。××××るぞ」

おっと、3割どころじゃないな。文面に起こしにくいような言葉で俺を罵ってきた。

「まぁまぁ落ち着けって。ほら、一本どうだ?」

俺が缶ビールを勧めるが…

「飲まねぇよ」

と、小さい虫くらいなら、その圧だけで殺せるんじゃないかと思わせるようなメンチを切って断った。

…まぁ、そうだろうな。こいつ下戸だし。分かってて勧めたんだけど。

「………」

目が座ってる。これ以上からかうのは得策じゃないな。

「悪かったよ、機嫌なおせって」

「『悪かったよ』じゃねぇよ。何のつもりだ?って聞いてんの。何のつもりで、アタシの部屋の前でお経流してんだ?って聞いてんの?しかも、深夜に!爆音で!」

「…はっはっは。よく私が犯人だと分かった――」

トスッ!

俺の足元、数センチ手前にナイフが刺さっている。

おや?これは?俺の知る限り、おいそれと地面に刺さっていて良いものではなかったはずだが?

「バカにしてんのか?何だったら、二度とバカに出来ないようにしてやろうか?」

「お、おい。待て、アヤ。落ち着け。これには訳があるんだ。とにかく話を聞いてくれ」

俺は秘密兵器のレアチーズケーキを机の上に置くと、その向かいにある椅子にそっと腰をおろした。

「…で?何だよ、話って」

相変わらず不満そうなオーラは出ているが、取り敢えずはレアチーズケーキに騙されてくれたようだ。

「いや、実は、これなんだけどさ」

と、1枚の紙をアヤに差し出す。

「何?…聖誕祭?」

「そう。ほら、うちの孤児院ってさ、何か神様崇めてるだろ?何てったっけ?忘れたけど、何とかって神様。その神様の生まれた日を記念して、何かイベントをやろうってことらしくってさ」

「ふ~ん…それで?」

「いや、だから。そのイベントで何かガキどもが喜ぶような出し物とかないかなぁって思ってさ。ちょっと知恵貸して欲しいなぁって」

はぁ…。

アヤが頭を抱えて、盛大にため息をついた。

何だ?俺、そんな的外れなこと言ったか?

「色々、ツッコミたいとこだらけなんだけどさ…。まず、その何とかって神様が生まれた日っていつ?この『アナグラ』の中で、ちゃんとした日にちなんて分かんの?」

「それは…分かんないけどさ。うちの孤児院では、ある日を境に、その日を一月一日ってことにして、一年をカウントしてんだよ」

「なるほど。つまり形式上のってことね。それじゃあ、それはまぁ良いとして。…これが最大の疑問なんだけどさ」

と、アヤは一拍おいて大きく息を吸い込み口を開いた。

「人が完っ全に眠り切ってるこんなド深夜に!あんな嫌がらせを駆使してまで、『今』聞かなきゃいけないことなのか、それは!?」

マズイ。また怒りに火が付いた。

「いやいやいや。確かに悪かったとは思ってるけどさ。ああでもしなきゃ、お前起きないだろ?」

そう。アヤは所謂、心霊系が得意じゃない。だから、どうしても寝起きの悪いアヤを起こしたい時は、こういった手に訴えるしかないのだ。…命懸けだけど。

「それに、明日は里帰りの日だしさ。まだ聖誕祭は先だけど、明日孤児院に帰った時、じいちゃん先生に何か良い話聞かせたいんだよ。分かるだろ?」

「だったら、もっと早く相談しろよ。こんな急じゃなくてさ」

ぶつぶつ言いながらも、何か良い案がないか、考えてくれているみたいだ。

こういう時、やっぱりこいつは良い奴だなって思う。…だからこそ…

「なぁ、アヤ」

「ん~…?」

「本当はさ、明日に間に合わせたかったんだけど…間に合わないなら、またで良いから…さ、その、何だ…」

言い淀んでいる俺の顔を、何かを探るような目でアヤが見ている。

「もし良かったら、他の人にも意見聞いといて貰えないかな?例えば…アザミ…とかさ」

ぴくっと眉が動く。

さっきまで、俺の顔を覗き込むようにしていた顔を俯かせ、黙り混んでしまった。

しまった。ちょっと強引だったか?けど…

「あのさ、アヤ。俺は――」

「リュウ。…話はこれで終わり?」

「え?えっと…まぁ…そうだけど…」

「ふ~ん…そう」

アヤは短くそう呟くと席を立った。

「おい、アヤ。あのさ――」

「明日には間に合わないけど…また何か考えとくよ」

こちらを振り返らず、俺が渡した紙をヒラヒラとさせながら、そう呟く。

「そっか…」

「本当、あんたも懲りないね。アタシのことなんて放っておけばいいのにさ。…ごめんね。…ありがと」

パタン。

ドアを閉じ、アヤは部屋へ帰って行った。

表情は見えなかったけど、きっともう怒ってはいないだろう…そんな気がした。

「さて、と」

俺も立ち上がり部屋へ戻る。

明日は里帰りの日だ。早く寝なきゃ。

「あ…」

もしアヤが本当に何か出し物を考えてくれたらどうしよう?

明日、じいちゃん先生に打診しとかなきゃな。「聖誕祭とかやってみないか?」って。

そんなことを考えながら、一つ大きな欠伸をして、ドアを閉めた。


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正月も終わり。

どうも、猪上です。

正月も終わり、そろそろ皆様も平日感が戻ってきている頃でしょうか?

猪上は毎年、年末年始はあまりゆっくり出来ませんが、今年は何とか初詣に行ってきました。

おみくじで大吉を引いたことより、新年早々にお散歩中のコーギーにお会い出来たことに幸せを感じた初詣でした。

皆様は新年いかがお過ごしでしょうか?

皆様にとって良い一年になることを、心よりお祈り申し上げます。

プロフィール

SP@CE

Author:SP@CE
演劇ユニット『SP@CE』

奈良で活動する演劇ユニット。
2012年6月、始動。


2014年5月 第1回公演「CONNECT」無事、終了致しました。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。


2014年5月現在、次回公演に向けて、役者・裏方募集中です!
詳しくは、下記カテゴリ『募集要項』をご覧ください!

お問い合わせ
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